最初に吹いてみた感じとしては、「まるで使えない」でした。
どうやって吹いてもいい音がしません。詰まっている感じ、息がスムーズに流れません。歌口で跳ね返されるようです。
先ず、タンポを疑ってみます。メーカーの説明書には「出荷時点で完璧に調整してある」と書いてあります。タンポは一般的なものではなく、シリコンパッドを採用しています。丁寧に連動を確認します。
甘い。
至るところが塞がっていません。いくつかあるキーの調整ネジで高さを探りつつ何度も試します。また、バネは一切使用していないようです。キーの戻りが鈍く音の立ち上がりが遅く感じます。
大抵のフルートは、どんな粗悪品でもタンポさえ塞がっていればそれなりに音が鳴るはずですが…
この楽器は一筋縄では行きませんね。
歌口のライザーははずれる構造になっています。リコーダーのように直接口に加えるライザーと付け替えることができるようです。こちらのライザーでは一つも音がでませんでした。おもちゃにもならない。
その構造のせいで、ライザー部分の内側に変な段差があり、空気が上手く流れないようです。
管体に滑り止めとして左手人差し指の付け根に当たるところには、ラバーが貼ってあります。響きを妨げるものは排除したいので、剥がします。また、同様の理由で頭部管と胴部管の間、樽に当たる部分のラバーも外します。
これで、幾分か軽くなりました。
とはいえ、全然思い通りの鳴り方はしません。
メーカーでは、「初心者から」と勧めていますが、初心者の方には絶対にオススメしません。
自分が悪いのか、楽器が悪いのか、判断ができないからです。
酷評もさて置き、私もプロフルーティストの端くれですから、なんとかこの楽器の良いところを見出そうと思います。というわけで、約2ヶ月間ガチでさらいました。
結果、収穫できたものは多くありました。