フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

音楽家業は食えるのか

“演奏”の仕事には、コンサートやイベントなどで人前で演奏する以外に、CM、映画、ドラマやアニメのBGM、アーティストのバックバンド、カラオケ音源の制作など、スタジオで録音するものもあります。

以前、なんの雑誌かわすれましたが、いくらか(100万か200万円か金額は忘れました)あればどのように使うか、という音楽家を対象としたアンケートのような企画がありました。殆どの人は、楽器や音楽機材の買い替えや買い増し、設備の充実を計画している中、ひとり「その金をすべてコネをつくるための飲み代につかう」と書いている方がいました。当時まだ若かった私は、この意味を理解することが出来ませんでしたが、今は「なるほど、その通りかもしれない」と思うようになっています。

オーケストラのエキストラも、スタジオワークも、イベント出演依頼でも、仕事は「人」からやってきます。ある時、電話やメールで案件の連絡があります。「全然知らない人」から仕事が来ることはほとんどありません。もしあれば、詐欺ではないかと疑ってしまうほどです。

優秀なプレーヤーは沢山いますが、頼む方にしても、知らない人にお願いするより、知っている人に頼んだ方が安心ですからね。自分でもそのようにするし、近くに都合のよい知り合いがいない時は、紹介してもらうようにしています。

人脈を広げることは、仕事の充実に繋がります。

そして、声をかけられた演奏家は、この期待に応えなければいけません。

しかし、これらの手を尽くしても仕事がある時はあるし、無い時は無いのです。先の予定が真っ白な手帳に何度絶望したことでしょう…

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