フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

自由な演奏

中学生になってはじめて加わる教科に英語があります。中1の授業では、ABCから習いました。教科書「New Horizon」を使い、登場人物Mike Davisとその仲間達になりきって、教師のRepeat after me.による模倣の中で授業は行われました。内容は教科書を離れることなく、文法もWritting、Readingもその日のセクションを繰り返しやっていたように思います。何度も繰り返すうちに、英語(中1の簡単なものですが)が身体に馴染んで来るような感覚があり、ほとんど覚えてしまった教科書のおかげで良い成績をおさめていました。

学年が変わると、英語の教師も変わりました。その教師はなぜか教科書をほとんど使いませんでした。独自のプリントを準備して、文法や単語の習得に務めさせました。数多くこなすことを目的として、ひとつの文章に執着するようなことはありませんでした。そして必ず英作文をする時間がありました。教師は言います。

自由に英作文してください。

文法やスペルミスを気にせず、なんでも【自由】に書いていい、というのですが、私はほとんど何も書けませんでした。書きたいことが無かった訳ではなかったのですが、そのための文法もスペルミスどころか単語の検討もつかず、その時知っている事だけでは太刀打ち出来ないのでした。この方法が合っていた同級生たちは、自分で文法や単語を調べ成績を伸ばしていきました。【自由】に書いた私の英文は、教科書とは違いデタラメに感じたせいで学習の意欲をなくしていきました。私はモデルとなる正解が欲しかったのです。

この授業は、私には早すぎました。

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