今は冷静になって考えます。安ければ燃やしても、壊してもいいのでしょうか?
パフォーマンスだからと、心を鬼にしてやっているかもしれませんが、今の私には無理なことです。
どんな楽器でも楽器として誕生してい以上、楽器として扱わなければなりません。それ以前に、ものは大切にしなければなりません。日本には八百万の神というのがいて、万物に神が宿ると言われて…脇道にそれそうなので。ともかく楽器は値段に関係なく楽器です。
楽器は音楽を共に奏でるパートナーです。お互いに存在しなければ音楽は生まれないのですから。そして、応えるものです。人と同じように、大事にされているならお互いにそのように接します。乱暴な人には近づきたくないし、大事にする義理も感じません。
それは演奏でも言えることです。音量が必要だからといって、例え打楽器でも強く叩いてはいけません。痛いと思いませんか?弦楽器も管楽器も許容を超えて演奏するのは、一方通行な気持ちです。
楽器を鳴らそうと必死になっていた時、当時の先生(植村泰一先生)から教わった言葉があります。
「冷たい手を温めるような息で吹きなさい」
北風と太陽ではないけれど、感動を呼ぶ暖かさはここにあると思います。
楽器がものすごく優れていて、どんな奏法でも受け入れてしまうようなものだったとしても、強引な一方通行では振り向いてもらえない気がします。