フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

スポーツと音楽とタイミング

タイミングは音楽においても重要な要素です。アンサンブルではタイミングをあわせる必要があるのは当然ですが、観客にとってもその期待したタイミングによって安心し、驚愕することもあるのです。その拍子感で音楽が奏でられれば、それに乗ることができます。続くとノリの中は心地よいものです。しかし、外されたタイミングは意表を突かれたものになり、「えっ」と驚くことになります。これが面白さです。重要なのは、「ノリ」を作ってから「外す」ことです。ノリのない状態は「拍子抜け」で「間抜け」のです。この言葉は元々、舞踊の世界のものらしいです。稽古の最中にお師匠が手拍子で刻み、弟子はそれに合わせて踊ろところタイミングが合わないものを指していました。「拍子抜け〈する〉」のか「拍子抜け〈ない〉」のか、どちらともとれますが、いずれにしても「間」が意図せず、ありすぎてもなさすぎてもいけないということでしょう。

私が初めてジャズのアドリブに挑戦したときは正にこの状態でした。ノリを無視して音を詰めて吹きまくりました。タイミングを見失って変な休みを取りました。結果、「間抜け〈る〉〈ない〉」で「単調」な演奏になったのです。

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