フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

演奏家の筋トレ

楽器を演奏するための体づくりは、楽器の練習の中で自然に出来てくることではないでしょうか。

シューマンはピアニスト志望だったそうです。指を強化するために(錘を乗せるなど?)負荷をかけて練習していたところ、指を壊してしまったそうです。そのため作曲家となりました。

私は昨年(2019)、自転車で走行中タクシーに追突されるという事故に遭いました。跳ね飛ばされ、そのまま救急車で運ばれました。骨折とむち打ちで入院し、退院後は自宅静養となりました。幸い顔と指には怪我がありませんでしたが、落下の衝撃で肩肘をやられたのでしばらく楽器を構えることができませんでした。少し傷が癒えた頃、楽器を吹こうとしましたが、今まで感じていない重さを感じました。フルートは約500g位です。それでも重く感じて、構える腕は震えてしまうほどでした。筋肉が衰えたのです。吐き出す息も弱々しいものでした。

リハビリも兼ねてその後の日々も練習を続けていると、少しづつ戻ってくる感覚がありました。体の必要な部分に必要なだけ筋肉が戻ってきているのです。構えも息も楽になってきました。このようにしてフルートに適した体になるものかと、短期間のうちに実感したものです。

筋トレやフィットネスはメンタルを保つ上では大変に有効だと思います。発散させたい衝動は必ずありますからね。ただし、演奏上の問題は筋肉で片付くことは無いと思います。

短距離走とマラソン、水泳やレスリング、ボディービルダーや相撲、それぞれのトレーニングが違うように、演奏家には演奏家のトレーニングを、自分が演奏している時の状態を観察することは、上手なカラダの使い方につながると思います。


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