フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

ラジカセ

フルートを始めた後は、テレビのクラシック番組にも興味がわきました。5チャンネルのNHK教育放送では、「芸術劇場」でコンサートやリサイタルの映像を流していましたので、食い入るように見ていました。というのは、毎回音楽にものすごく魅了されていたのではなく、聞こえなかったからです。クラシック番組には難点がありました。録音のレベル差がありすぎるため、他の番組とボリュームを同じ基準にするとほとんど聞こえなくなるのです。しかも、モノラル音声テレビです。演奏している姿が見えても音が入って来ないので、ボリュームを上げ「サー」というホワイトノイズと共に聞くしかありませんでした。これでは、せっかく演奏の良さが伝わらないので、結局は諦めて他のチャンネルに変えられてしまうのです。

テレビでクラシック番組を視聴するのはステレオ放送が主流になっても、地デジになっても難しいことに変わりありません。余程高級なテレビでなければ内蔵のスピーカーは、繊細な音を表現できるほどの性能はありませんからね。

そんな中でも、音楽の再生に特化したラジカセは優秀でした。テレビの音に比べれば断然満足できるものでした。程なくしてCDラジカセが主流となり、音楽はより身近な存在になりました。

中学に入るとセパレートのオーディオの存在を知りました。今まで使っていたのが一体型だったので、大きすぎて持ち運び出来ないのは不便だな、というのが第一印象です。左右のスピーカーと、CDデッキ、カセットデッキ、そして、アンプ。叔母が奮発して買った、というものを聴かせてもらったのです。全てYAMAHAで組まれたシステムでした。1mの高さの重量感のあるスピーカーからは奥行きのある音が響いて、まるでそこで演奏しているように聞こえてきました。その衝撃は、その後オーディオに対する憧れを抱くきっかけとなったのです。

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