フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

劣等感

今思えば、店員として当たり前のトークです。しかし当時は、私も同行した親も勘違いしてしまいました。

もしかして、『才能』があるのではないか。

こうして、思い込みからフルートを習い始めることになりました。先生も乗せるのが上手でした。たくさん褒めてもらい、楽しいレッスンでした。個人レッスンですが、前後で会う他の大人の生徒さんにも「才能のある子はどんどん伸びるね」と、声をかけてもらえていました。

それはなんとも言えないやる気を引き出しました。練習するたび、エチュードが進むたびに褒めてもらえるのでレッスンは捗りました。そして、自分よりキャリアの長い同門の趣味を嗜む方々を追い抜いていきました。発表会の度に、そんなみなさんに称賛されました。「一番よかったですよ」と。

優越感でした。誰よりも優れている自分が嬉しかったのです。

しかし、中学生の後半から見える景色は変わりました。コンクールを受けるように勧められたからです。思い込みの才能は、当然自分が入賞圏内に居るだろうと疑いませんでした。

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