フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

アイ コンタクト

視力回復法を試したことは何度もあります。目の周りのマッサージ、眼筋のトレーニング、ステレオグラム、ブルーベリーを食べるなど。あまり効果はありませんでした。視力検査は恐怖でしかありませんでした。

コンタクトレンズにしたのは、大学に入ってからです。今でも家や近所はメガネで、仕事や遠出はコンタクトと、使い分けています。講堂が広いために板書がしづらいというのもありましたが、大学デビューのイメチェンを兼ねていました。レンズはハードです。私の乱視が酷すぎてソフトでは矯正しきれなかったのです。慣れるまでは中々に根気のいるものです。なにせ目の中に異物を入れているわけですから。瞳の上に浮いているレンズは、すぐにズレてしまいました。まばたきの瞬間に落ちて飛んでしまうこともありました。その度に、一切の動きを止めてレンズを探すことになります。

コンタクトに代えてからのぞんだオーケストラの本番のことです。フルートの着席位置は、弦楽器の後ろのほとんど指揮者と対面する位置ですが、演奏中は上目で指揮者を見て、視線を下に楽譜を見て、指揮の要求に対応出来るように交互にどちらも視界の中にあるようにしています。首ごと目線を動こすわけではないので、自然と目だけの動きになります。

その演奏は熱く展開されていました。授業とは違い本番は白熱するものです。
ふと気づくと何も目に入ってきませんでした。今までくっきり見えていたものは、ぼんやりと輪郭をなくしていました。一瞬混乱して、気づきます。両目ともコンタクトがズレたのです!飛んでいったかもしれません。焦って出来るだけ譜面台に顔を近づけ、なんとかその出番を吹ききりました。長休符の間になんとかしないといけません。

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