フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

音楽物件

音楽家の住まい探しは本当に苦労するものです。広大な土地に数軒が点在するような、家と家の距離が離れているなら問題にもならないでしょうが、人口密集地対ではそうもいきません。演奏家は練習しなければならないので、防音室をつくるか、音出し可物件を選ばなくてはなりません。しかし、音を出している以上騒音トラブルは付き物なのです。私もそのご多分に漏れず、隣人とトラブルになったことがいくつかあります。

1軒目は、上京して間もない頃の話です。その物件は24時間音出し可という、音楽家には夢のような物件でした。学校からは少し離れていましたが、その条件の良さが気に入っていました。部屋は、約6畳のワンルームにヤマハの2畳のアビテックスが設置され、広くはありませんでしたが、一人暮らしには充分な設備でした。私の入居したその時には、左右の部屋にはまだ隣人はおらず、この音楽家専用の城を満喫していたのですが。2ヶ月ほど経ったある日、どうやらお隣さんが引っ越してきたようでした。防音室の外でくつろいでいたところ、壁の向こう側が忙しく荷物を運び入れる音が聞こえてきたのです。そして、インターホンが鳴りお隣さんが挨拶にお出でになりました。私と同じか、少し若いようにも見える青年でした。彼はギターを演奏するとのことです。どうやら仕事の時間が不規則なので、24時間演奏できる物件を探していたということでした。

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