6.初期の出版
最初期の出版譜の多くは、オリジナルの原稿をもとにしていますが、いくつかの誤りや編曲が含まれていることが多いです。これらの出版譜は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ドイツやオーストリアの主要な音楽出版社によって刊行されました。
主要な出版譜
1. ブライトコプフ・ウント・ヘルテル(Breitkopf & Härtel)
ブライトコプフは、モーツァルトの作品の初期の主要な出版社の一つです。この出版社は、モーツァルトの多くの作品を初版として出版しており、フルート協奏曲ニ長調もその一部として扱われています。
2. エディション・ペータース(Edition Peters)
エディション・ペータースも、モーツァルトの作品を広く出版している出版社です。この版は、編集者の意図や解釈が反映されており、現代的な演奏解釈を取り入れた校訂が特徴です。
3. ベーレンライター(Bärenreiter)
ベーレンライター版は、学術的な視点から厳密に校訂された版として知られています。この版は、原典版としての信頼性が高く、研究者や演奏者から高く評価されています。ベーレンライター版は、原稿の細部に至るまで正確に再現されており、モーツァルトの意図を忠実に反映しているとされています。
4. ヘンレ版(Henle Verlag)
ヘンレ版は、原典版(Urtext edition)として知られ、可能な限りオリジナルの楽譜に忠実であることを目指しています。特徴は、詳細な注釈と校訂報告が含まれている点です。
編集方針
それぞれの出版社は、異なる編集方針を持っています。以下に一般的な編集方針の例を示します。
1. オリジナルの尊重 ベーレンライターやヘンレ版のように、オリジナルの楽譜に忠実であることを重視し、できるだけ作曲者の意図を再現するよう努めます。これには、誤植の修正や自筆譜の細部の検討が含まれます。
2. 現代的な解釈の取り入れ エディション・ペータースのように、現代の演奏実践や解釈を反映させるために、編曲や校訂を行う場合があります。これは、現代の演奏者にとって使いやすい楽譜を提供することを目指しています。
3. 教育的視点の導入 ブライトコプフ版のように、教育的な用途を考慮し、演奏に役立つ解説や指示を加える場合もあります。