フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

音楽家の価値

現在は、増えすぎた優秀な音楽家たちの供給過多の状況と言えるでしょう。団塊jr.世代の青少年期は、バブル経済の恩恵を受けてきました。習い事としてピアノやフルート、ヴァイオリンなどをさせる余裕もあり、その道へ進む学生が増えました。その後は不景気となりますが、その頃に社会に出始めた団塊jr.世代は音楽講師となり音楽教室が増加しました。そして、音楽が習い事として定着していたた為、その道を志す人たちが減ることはありませんでした。(現在は減少傾向のようです)

その結果、音楽家の人口は以前と比べ物にならない位増えました。激しい競争と引き換えに、優秀な人材を多く生むメリットもありましたが、溢れた才能が価格競争に巻き込まれて行くことは避けられなくなりました。

高級なイチゴは、一粒で15000円ほどするそうです。メロンの最高値は、2玉で500万円らしいです。この上なく手塩にかけられた、希少の品です。さぞ絶品のことでしょう。品質を上げて誰もが銀座千疋屋や新宿高野に並びたいと思うはずです。レベルの高い学校を目指し、留学を経験して磨きをかけ音楽家の水準はこれまでにないほど上がりました。

コンクールで1位を取りに行くのは、更に首ひとつ価値を上げることに他なりません。

しかし、あぶれたものや、なるに任せて実ったものは量産品としてスーパーに並ぶことになります。ここでは背負った少しのブランド名と共に、消費されるのです。朝のうちは”特価”の値札が踊ります。それでも安いのに、閉店間際に30%OFF、半額のシールが貼られるまで粘る消費者もいるのです。

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