フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

良い音をつくるには

クラシック奏者(私を含む)の悪い癖は、常に楽譜に頼りきりになることです。複雑な曲や緻密なアンサンブルが必要な場合は致し方無いと思いますが、少なくとも目は補助的に、耳は音楽に集中して演奏しなければ、と思っています。

一番はじめの教本から、どんなに簡単なフレーズでも丁寧に楽譜に書いてあります。これは良い点でもあり悪い点でもあります。

良い点は、簡単な楽譜から見慣れることによって読譜力が身につきます。クラシックでは、楽譜が”ある”ことが前提の世界なので、楽譜さえあれば初見であっても演奏が出来るようになります。

悪い点は、耳が疎かになることです。一番に楽譜を読む”目”に神経を使うので、出している音に対して充分な配慮ができなくなります。ロングトーンさえ楽譜を見続けて練習するのは、耳の鍛錬を遅らせる原因になります。

ここでは、音のクオリティを上げるための方法を書きたいと思います。良い音で演奏するためには、日々の練習の中で、少しでもこの時間をつくることを心がけましょう。

目を閉じて、全神経を耳に集中させて演奏しましょう。今まで気づかなかった粗が際立って聴こえて来ると思います。はじめはひとつの音のロングトーンでかまいません。音を聴きながら、どんな時に一番いい響きになるのか、吹き方を様々試し、検証しましょう。例えば次のようなことです。

  • 息の量
  • 息の角度、楽器の角度
  • アンブシュアの確認
  • 口の中、舌の場所
  • 喉の状態
  • リップへの圧力
  • 肩、首、姿勢、重心

これらを組み合わせて、馴染む吹き方を試し続けます。

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