フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

音楽物件

しばらく経ったある晩のことです。深夜0時を過ぎ、そろそろ寝ようかと思っていた時にそれは起こりました。先日引っ越してお出でのお隣さんから、とんでもない爆音が漏れ聞こえてきたのです。壁が振動するほどのバスドラにベース、歪んだギターの音は、完全にクラシックではありませんでした。勝手にクラシックギターと思い込んでいたところで度肝を抜かれました。パンクかロックか、なにかのCDに合わせて演奏しているようでした。激しいリハーサルは続いているようでしたが、大家も管理会社も繋がらない時間だったので、渋々ながらお隣に苦情を言いに行くことにしました。何度鳴らしたところで、反応はなく、不機嫌な声で対応されたのはしばらく後でした。彼は今後は音量を下げる事に同意してくれました。しかし、エレキギターがいくら音量を下げようとも、壁伝いに夜な夜な行われるセッションが漏れ聞こえていました。この部屋は、最上階にありました。彼の部屋は角部屋だったので、一番被害が大きかったのは、私の部屋だったと思います。彼の部屋の玄関の前に、メサブギーの大きなの空ダンボールがあった時には、これは無理だと悟りました。この件を管理不動産屋に相談にいった時の言葉は忘れることができません。

あなたも24時間演奏していいですよ

いや、無理です。ノイローゼ寸前になりながら、この夢の城を去ったのです。

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