フルート 齋藤 寛 オフィシャルサイト

楽器を大切に

これまでに様々な楽器は、大量に生産され、人知れず処分されてきました。一部は名器として丁重な扱いを受けていますが、それ以外は廃棄されてしまいます。以前、ピアノのスクラップ工場のドキュメントを見たことがあります。バブル期はそれこそ一家に一台というのが当たり前というほどに、ピアノが普及しました。しかし、習い事としてピアノをやめ、こどもは成人して家を出て、弾き手を失ったピアノは無用の長物となりました。市場価値があれば中古として出回りますが、そうでないものは廃棄業者で処分されてしまいます。アップライトピアノはスクラップされるのですが、その時、ピアノ内に残っている弦が最後に鳴くのです。ガシャン、ギャンと、この断末魔の叫びを聞くのが何より辛いと業者の方は話していました。出来れば、どこかで楽器として再生できれば良いですが、事情がある中では何も言えません。せめて、楽器として輝ける時間があったなら、少しは救われるのかなと、思ったりします。

「インテリアとなりその後眠っている」と書いた私の激安フルートは、確かに楽器として粗悪なものでした。しかし、調整に5万円かかると見積もりがありましたので、その額で楽器として再生出来るということでしょう。どうしても捨ててしまうのが心苦しくて、手元にあるわけですが、そのような楽器が何本かあるのです。

もしパフォーマンスだとしてもこれらの楽器を破壊することは出来ないし、そのような映像には心を痛めてしまいます。

演奏は楽器との二人三脚(?)ですからね。


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